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Zゲージのメンテナンス

メルクリンZゲージのメンテナンスについて、私なりに整理しておこうと思います。
メルクリンのセミナーを受講したとかいうわけでもなく、自己流のものですので、鵜呑みにせずに参考にしていただければと思います。
誤りやこうした方がいいということがありましたらお知らせいただければありがたいです。

なお、メルクリン以外のメーカーの製品についてはモーターなどが違うので対象としません。

メンテナンスの道具と材料

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ピンセットとマイナスドライバー。ピンセットは適度に先が細いものが必要です。あまり細すぎて弱いのもダメです。私はHOZANのP-87というのを愛用しています。値段も安いです。マイナスドライバーは100円ショップの精密ドライバーで十分です。

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清掃用の薬品類。左から、無水アルコール(薬局で)、リグロイン(薬局か画材店で)、EE-6310(業務用のをヤフオクで小分けして売ってる)、クレ556無香性、同じくペンタイプです。
消毒用エタノールよりは無水アルコールの方が安心でしょう。リグロインはしみ抜きなどに使われる洗浄力の強い薬品ですが、匂いがきつい難点があります。EE-6310はカメラのレンズなどの洗浄用のもので、アルコールベースで匂いはきつくありませんが、値段が高いのが難点です。クレ556は普通のヤツ(赤い缶)はプラスティックを侵すので「無香性」(白い缶)を使います。ペンタイプのものはあまり売ってるのを目にしないので入手しにくいかもしれませんが、少しずつ使うZのメンテナンスには大変便利です。

私は、日常のモーターブラシと整流子の清掃にはレールクリーナー(下で紹介)を使い、バラしてギアなどのパーツまで洗浄するときにはリグロインを使っています。

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綿棒類。
左から、爪楊枝型の先の細い綿棒、「Mr.綿棒」という先のとがったタイプ、100円ショップのベビー綿棒、歯間ブラシです。ベビー綿棒の上に一本置いてるのは比較のための普通の綿棒です。Zには普通の綿棒は太すぎます。
私は、ほぼベビー綿棒を使い、軸受け部分など細かくてベビー綿棒で無理な部分は爪楊枝型のものを使っています。

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オイル。
左から、メルクリン純正(7149、メルクリンのオイルの容器が漏れやすいので別のものに入れ替えています)、Bright ChipsのOmega Oil(通販で)、Liquid Bearings(eBayで)、Hightech ModellbahnenのDry-film lubricant(通販で)です。
Omega OilとDry-film lubricantはテフロンが添加されているようで、白濁しており、置いておくと沈殿します。
きちんと性能比較をしたわけでないので、どれがよいかはよくわかりません。

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レールクリーナー。左から、KATOのもの、ProZのものです。機能的には大差ないと思います。

動力車の走りが悪い場合

走りが悪い原因はいくつかあります。

1.モーター

モーターの問題としてはブラシと整流子の汚れがほとんどと思ってよいでしょう。長時間走らせれば必ず汚れてきますので、定期的に掃除する必要があります。ブラシだけではダメで、整流子の掃除が肝心です。ボディーとブラシを外せば、隙間からベビー綿棒を差し込んで整流子に届く場合は、それ以上ばらさなくても掃除できます。清掃には無水アルコール、556無香性などが使えます。鉄道模型用のレールクリーナーでもいいかもしれません。注意点としては、綿棒が毛羽立ってくるまでやってその繊維が残って絡むということのないようにすることです。
具体的には下記で写真で説明しています。

Zのモーターブラシは精度は結構いい加減なので、整流子へのあたり具合が悪くて片減りしたりする場合もあります。それによって微妙に調子が変わったりします。ブラシを換えると良くなる場合もありますが、やってみないとわかりません。なお、ブラシの整流子に接触する部分を削るという調整方法もありますが、こうやれば確実に良くなるということは私は言えません。

2.通電不良

レールからモーターへの給電は、レール→車輪→車輪接触端子→ボディ接触端子→ボディ側端子→基板→ブラシと、何箇所もの金属同士の接触によっています。(架線給電なら、架線→パンタ→基板という経路も。)どこかが汚れていて電気抵抗が高いと当然走りは悪くなります。

長時間走らせれば必ず汚れてくる部分としては、レールと車輪があります。定期的な清掃が必要です。レールクリーナーは持っておいた方がいいですね。
車輪の清掃は、動力車をひっくり返して(パンタや屋根の上のパーツが傷まないように置き台を作っておく)、パワーパックからの線を車輪にあてて回しながら、クリーナーを染みこませた綿棒を回転する車輪にあてる、という方法が一般的です。しかし、置き台が必要ですし、結構面倒です。
別法としては、直線レール一本にパワーパックからの線をつなぎ、レールの延長上にクリーナーを染みこませた化粧用パフを置きます(高さがレールと合うようにレールを台に乗せるなどして)。そしてレールとパフにまたがるように動力車を置いて少し押しつけるようにし、車輪を回転させて清掃します。

レールの清掃は非常に重要です。レールクリーナーで拭けばいいのですが、適当な道具がないとやりにくいので、私はTipsで紹介したような道具を作って使っています。
レール表面の汚れだけでなく、ホコリも大敵です。レイアウトをしばらく走らせていない時などは目に見えないような細かなホコリがあって、そのまま走らせると車輪やギアにホコリを巻き込んで走りが悪くなることがよくあります。走らせる前には必ずレールクリーニングするようにしたいものです。

3.機械的抵抗

・古いオイルが固まっている
・ギアや車軸にホコリなどが絡まっている
・ギアの歯や車輪やギアの軸受け部にホコリなどが入り込んでいる
・ギアの噛み合わせが正しくない状態で無理に組んでいる
・どれかのパーツが変形している
といった理由で、機械的に抵抗が大きいために走りが悪くなっているケースです。

こうなると、バラして掃除しなければなりません。

この辺の調整をする場合には、電流値が見られると便利です。メルクリンのZのモーターは、通常の走行状態で、200mA前後の電流を消費します。100mA台なら優秀、200mA台なら普通、300mAを超えるようだとどこか問題があります。
モータだけ、モーターをシャーシに取り付けているが台車は外した状態、台車も取り付けた状態、のそれぞれでブラシまたは基板のブラシにつながった部分にパワーパックからの線を当てて調子を見ます。これで1.と3.はわかります。
それでOKなのにレールに乗せるとダメな場合は、2.が問題です。

定期メンテナンスの実際

定期的におこなうメンテナンスは、モーターのブラシと整流子の清掃、および注油ですが、その様子です。

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メルクリンZのモーターには三つのタイプがあり、ブラシの形状が異なります。また、それぞれのタイプに古い3極と新しい5極モーターがあり、ブラシの端子部分の大きさが異なります。結局ブラシは6種類あることになります。
上の写真は三つのタイプの例で、奥からBR89、Ae6/6、Re460です。ブラシの形状が異なるのがわかると思います。

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BR89の場合。左の写真の緑矢印が整流子、赤矢印がブラシの端子です。ここを洗浄液(上記)を染みこませた綿棒で掃除します。
注油は右の写真、赤矢印の箇所のギアです。

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Ae6/6の場合。このタイプはブラシが基板に固定されています。押さえを外側へ回転させれば外れます。
整流子の掃除は、基板を付けたままなら青矢印の穴から、基板を外したら緑矢印の穴から行います。基板の穴は小さいので、外した方がやりやすいと思います。基板は二本のネジで止まっています。
注油は赤矢印の箇所のギアです。写真では台車を外していますが、外さなくてもひっくり返せば台車の底にギアが見えていますのでそこからも可能です。
台車を外した場合は、取り付けるときに入れ替えないように注意します。

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Re460の場合。このタイプはブラシはモーターに固定されています。外し方はちょっと細かな作業になります。下記で説明します。
整流子の掃除は側面の緑矢印の穴からおこなえます。
基板の付け外しの際は、青矢印の針金と緑矢印のコンデンサの足の接触を確認します。この接触でモーターへ電流が流れますので。
注油は赤矢印の箇所のギアです。写真では台車を外していますが、外さなくてもひっくり返せば台車の底にギアが見えていますのでそこからも可能です。
台車を外した場合は、取り付けるときに入れ替えないように注意します。

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モーターだけを取り出した状態です。ブラシは赤矢印の針金状のバネが外側へ広がる力で固定されています。外すときは赤矢印の箇所をピンセットでつまんで、内側へ動かしてから持ち上げます。写真の下は向こう側のバネを外した状態です。取り付けるときは、持ち上げてから内側へ動かして下へ動かします。
ちょっと練習が必要かもしれません。

動力車メンテナンスの注意点

・ボディを外すときに、あまり力を入れて広げると、癖がついて外れやすくなるので注意。
・モーターがブラシ一体型の場合はいいのですが、そうでない場合、外す前に印を付けてどちらが上かわかるようにしておくこと。組むときに上下逆にすると進行方向が逆に(でもライトは本来の前が点灯)なります。
・台車を入れ替えてしまうと、これも進行方向がおかしくなります。台車からボディへ電気を伝える板バネ状の端子がどっち向きかというのを、外した時にメモしておくこと。特に架線集電の場合は入れ替えてしまうと動かなくなると思います。
・台車もばらした方が完全な洗浄ができますが、カプラが台車に付いているタイプの場合は、カプラのバネを飛ばしてなくさないようにくれぐれも慎重に。すごく細くて小さいバネなので、飛ばすとまず見つからないです。
・洗浄は、アルコール(できれば無水)でもいいですが、リグロイン(薬局か画材店で)の方が洗浄力が高いです。小皿に取って、ばらしたパーツ(ボディを除く)を漬けてジャブジャブやるといいです。メガネの洗浄などに使われる超音波洗浄機を使う手もあります。メルクリンでは超音波洗浄機を使っているようです。
・車軸にホコリが絡みついている場合があり、それはジャブジャブだけでは取れないので、よく見てピンセットで取る。
・注油は最小限に。メルクリンは油を注しすぎの場合があります。古いものではその油が固まって動きが悪くなってる場合も多いです。


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